これまでの記事の中で、お伝えしていますように、現在私は9通貨のチャートを同時に表示してトレードを行っています。
しかし、インターネット上の多くのサイトを見ていますと、「初心者のうちは、通貨を1つに絞った方が良い」と言うことも書かれています。
では、私たちは一体どちらの方法で、トレードした方が良いのでしょうか?
今日は、その点をご一緒に考えてみましょう。
ちなみに、結論から申しますと、複数通貨を監視した方がメリットが多いのでお勧めです。
しかし、複数同時にエントリーするときには、デメリットにも注意が必要です。
そのメリットとデメリットとは、以下の通りです。
複数通貨監視のメリット:3つ
- ①:エントリーチャンスが増える
- ②:無理矢理エントリーを行わなくなる
- ③:トレード技術の向上につながる
複数通貨監視のデメリット:3つ
- ①:複数通貨を同時刻にエントリーすれば、全て負けてしまう可能性がある
- ②:チャートの背景(上位足の動き)を記憶できない
- ③:通貨ごとの動きの癖を記憶する必要がある
では、これらの詳細について知る前に、複数通貨監視法とは、どんなものなのか?
そして、どのようにおこなえば良いのかを見てみましょう。
目次
複数通貨監視法とは?
FXの世界には、国ごとの通貨の組み合わせによって、とても多くの通貨を取引することができます。
そして、その中から相関性(互いに同じ動きをしない)の低い通貨を複数選択して、同時に監視することにより、エントリーチャンスを増やすと言うのが複数通貨監視法です。
複数通貨監視法のやり方解説、質問コーナー
質問①:複数通貨9つはどれを選んでいるのですか?
現在、私が選んでいる9つの通貨は以下の通りです。
JPY系:USD/JPY、EUR/JPY、AUD/JPY
EUR系:EUR/USD、EUR/AUD、EUR/GBP
その他系:AUD/USD、GBP/USD、USD/CAD
質問②:どうして、その9つの通貨を選んだのですか?
主に2つの基準を通して、選択しました。
基準①:スプレッドが2pips以下のもの
あまりにもマイナーな通貨を選択してしまうと、スプレッドが高額になってしまいます。
例えば以下は、使えそうでありながら、スプレッドが高い通貨です。
GBP/CHF | 英ポンド/スイス | 5.0 |
---|---|---|
AUD/CHF | 豪ドル/スイス | 3.0 |
NZD/CHF | NZドル/スイス | 5.0 |
これほど高額ですと、そのスプレッドが勝率に及ぼす影響がとても大きくなって、用いている手法が優位性のあるものでも、スプレッドによって勝率が下がってしまう可能性があります。
そして、以下の記事にありますように、できれば利確及び損切りの幅は、スプレッドの100倍以上にする必要があります。
»1分でFXの負け組から100%抜けだせる2つの方法②:実践編
ですから、そうしたことを考慮して、スプレッドが高すぎないものを選択しています。
基準②:通貨間の相関性のないもの
例えば、なになに/JPYと呼ばれるものは、比較的スプレッドが安いのですが、AUD/JPYとNZD/JPYを同時に選択してしまうと、チャートの動きがほとんど同じであるため、エントリーチャンスが同じタイミングで生じてしまいます。
ですから、それぞれができるだけバラバラの動きをしてくれるチャートを選択しています。
ちなみに通貨間の相関関係を示す表は以下の通りです。
(係数が1に近づくほど同じ動きをします。)
例えば、AUD/JPYとNZD/JPYは相関係数が0.92でほぼ同じ動きをすることが分かります。
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質問③:9通貨を同時に監視するには、モニターがたくさんいるのですか?
現在、私は15インチのノートパソコン1台でエントリ-を行っています。
海外でノマド生活を送りながら、トレードを行っていますので、デスクトップパソコンにモニターを複数並べるようなことも、できない状態です。
そして、実際にそれが必要と思ったこともありません。
なぜなら、トレードのできるか、できないかを判断するときには、結局のところ、注目すべき通貨を拡大して判断するので、それほどモニターは必要ないのです。
では、こうして複数通貨監視法がそれほど難しくない事が分かったいま、この方法にどんなメリットとデメリットがあるかを見てみましょう。
複数通貨監視のメリット:3種
メリット①:エントリーチャンスが増える
これは最もわかりやすい理由ですが、1つの通貨を監視している場合よりも9つの通貨を監視していれば、9倍のエントリーチャンスが訪れると言うことです。
ですから、大体1週間に1つの通貨に対して1回位のエントリーチャンスは訪れますので、長めのデイトレードを行っていても、十分に利益を確保することができます。
そして、こうすることにより、リスク分散を行うことができ、より安定したトレードを行うこともできます。
メリット②:無理矢理エントリーを行わなくなる
例えば、あなたがUSD/JPYのチャートだけを監視していると考えてください。
そうすると、1日に何回もそのチャートばかりを凝視していますので、エントリーチャンスでもないにもかかわらず、ゆがめてそのチャートを見てしまい、無理なエントリーをするということが起きてしまいます。
1日も2日もエントリーしていなければ、何とか3日目はエントリーしようと思ってしまうわけです。
しかし、9つの通貨を同時に監視していれば、チャートの形が悪ければすぐにそのチャートを畳んで、1週間全く見ないと言う選択ができます。
これはちょうど、オープンしたての焼きたてのパンを自由に選べるか、それとも、閉店間際の売れ残りの少ないパンの中から無理矢理、買わなければならないかと言う状況とよく似ています。
そうした状況であれば、必ず皆さんは自由に選べる方を選択されるでしょう。
それが、複数通貨監視法なのです。
メリット③:トレード技術の向上につながる
FXトレーダーの技術の向上には、実践エントリーが欠かせません。
そうした実践練習を積み重ねていく上で、どうしても1通貨のみを監視していれば、様々なチャートの環境に触れる事はできません。
ましてや、このブログでお勧めしている1時間足を中心としたデイトレードでは、1週間に1回ほどしかエントリーチャンスが訪れないでしょうから、いつまでたってもトレーダーとしての技術が向上しないのです。
しかし、9つの通貨を監視していれば、9倍速く成長できるのです。
複数通貨監視のデメリット(注意点):3種
デメリット①:複数通貨を同時刻にエントリーすれば、全て負けてしまう可能性がある
これは実際、私も経験したのですが、5つの通貨が全く同じタイミングでエントリーチャンスが訪れたことがありました。
しかし、そうしたタイミングがまったく同じであると言うのは、ファンダメンタルなどの共通の状況に沿って動いている可能性があるので、全て損切りなってしまう可能性があるのです。
対策:同じタイミングでエントリーをする場合、上限を2通貨までに絞り、なおかつ、出来る限りチャートの形の違うものを選択し、エントリーする。
デメリット②:チャートの背景(上位足の動き)を記憶できない
もし、1つの通貨だけを監視していれば、4時間足や日足などの形、全てを記憶することができるでしょう。
そうすれば、「現在は、4時間足では上目線だから1時間足でも買いを狙っていこう」と言う考えが浮かび、下目線のエントリーチャンスが来ても、少し警戒したエントリーを行うことができるでしょう。
しかし、9つの通貨を同時に監視していれば、その背景全てを記憶することができませんので、短期足だけに注意を集中してしまうと、すぐに損切りになってしまう可能性があります
対策:監視足でエントリーをする前のタイミングで、再度、上位足の流れを確認する。
どのように確認するかは、以下の記事をご覧ください。
»FX歴7年の専業トレーダーが行うエントリーから利確までのルーティーン
デメリット③:通貨ごとの動きの癖を記憶する必要がある
各通貨には、大雑把に特徴が存在します。
例えば、AUD/NZDやEUR/GBPなど近隣国の通貨同士は、どうしてもレンジ相場になりやすい特徴があります。
反対に、GBP/USDやGBP/JPY等は動きが荒く、相場が急変しやすいなどといった特徴があります。
ですから、もしそうした特徴を全く考えずに、十羽一絡げでエントリーを行ってしまえば、すぐに損切りになってしまうでしょう。
対策:ざっくり通貨ごとの特徴を覚える。
実際には、覚えるといってもチャート自体は、「相場の原理原則」に沿って動いていくので、それほどシビアに記憶する必要もありません。
複数通貨監視のメリットとデメリットについて考慮した上で言えること
このように、複数通貨監視法には、メリットが3つとデメリットが3つ存在することがわかりました。
しかし、数は同じでもその内容には全く違いがあり、圧倒的にメリットの方が大きいゆえに、この「最速FXブログ」では複数通貨の監視をお勧めしています。
なぜなら、デメリットの上記の「対策」で示しましたように、その多くはわずかな努力を加えるだけで直ぐに、無くすことができるからです。
それに対してメリットとして挙げられている事柄は、専業トレーダーとして生活していく上で、決して欠かすことのできないものばかりだからです。
では、最初は少しの訓練が必要かもしれませんが、複数の通貨を監視しながら、本当にチャンスが訪れた時のみ、エントリーするようにしていきましょう。
まとめ
複数通貨監視のメリット3つ
①:エントリーチャンスが増える。
②:無理矢理エントリーを行わなくなる。
③:トレード技術の向上につながる。
複数通貨監視のデメリット3つ
①:複数通貨を同時刻にエントリーすれば、全て負けてしまう可能性がある。
②:チャートの背景(上位足の動き)を記憶できない。
③:通貨ごとの動きや癖を記憶する必要がある。
本日も、最後までご覧くださり、本当にありがとうございました。
最速FXブログのケンジでした。
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