前回は資金を複利運用することの絶大な効果(1兆円まで行く)について勉強することができました。
しかし、あたかも完全無欠に思えるその複利運用にも、大きな落とし穴が存在するのです。
それは、かの有名な「バルサラの破産確率」と大きな関係を持っています。
では、バルサラの破産確率とは一体何でしょうか?
そして、複利運用には、どのようなデメリットがあり、それをどのように防いでいくことができるのでしょうか?
今日はその点をご一緒にはっきりさせていきましょう。
結論から申しますと、複利運用は勝率60%以上を平均して叩き出し続ける必要があると言う難題をクリアしなければ破産してしまうという点です。
では詳しく見ていきましょう。
目次
バルサラの破産確率とは何か?
皆さんも様々なサイトを通して、「バルサラの破産確率」と言う言葉を聞いたことがおありかと思います。
下記の表をご覧ください。
これがバルサラの破産確率と呼ばれるものです。
引用:投資と「破産の確率」
これは、リスクリワード比率と勝率を掛け合わした場合に、どのぐらいの可能性であなたが破産に陥るかというもの示した表です。
そして、この表はこの「最速FXブログ」でも進められているように、総資産の1%のみをトレードしていった場合の結果でもあります。
本来であれば、そのような安全なリスクだけを取ってトレードをおこなっていけば破産するはずは無いのですが、この表を見て驚くべきところは50%でリスクリワード1だったとしても99%破産すると表示されていることです。
なぜそのようなことが生じるのでしょうか?
なぜリスクリワード1で勝率50%だと破産するのでしょうか?
その答えは、この計算式には、複利運用が適応されているからです。
リスクリワード「1」の勝率50%が破産する理由
例えば、あなたが100万円を単利運用をしていて、総資産の1%にあたる1万円を毎回のリスクとして、トレードをしているところ想像してみてください。
当然のことですが、あなたは最初に1勝すれば総資産は101万円になり、その後、負けても100万円に戻ります。
なぜなら、毎回1万円をトレードしているからです。
これが単利運用と呼ばれるものです。
しかし、これを複利運用していくと、どうなるのでしょうか?
あなたは、上記と同様に、100万円の総資産に対して1%の1万円でトレードをおこなって勝利したとしましょう。
すると、あなたの総資産は101万になります。
そして、次のトレードは101万の1%なので、10,100円をトレードすることになります。
では、そこで負けてしまうとどうでしょう。
なんと、1勝1敗の勝率50%にもかかわらず、あなたの資金は999,900円になってしまっているのです。
反対の場合を考えていましょう。
あなたは、最初に1万円でトレードして負けてしまった場合あなたの資金は99万円になります。
そして、次のトレードは99万円の1%ですから、9900円のトレードになります。
すると、そこで勝利して1勝1敗になったとしても、やはりあなたの総資産は999,900円になってしまうのです。
これが複利運用の1番のデメリット、大きな落とし穴なのです。
このように勝率50%でリスクリワードが「1」の取引を永遠に繰り返していけば、あなたの資金は間違いなく底をつき、破産してしまうのです。
ですから、バルサラの破産確率で表現されている事はまちがいないことなのです。
では、本当にそんなことが起きるのでしょうか?
大好評のExcel 1000回検証を通して、その数字の変化を確認していましょう。
バルサラの破産確率:1000回検証
前回の複利運用計算システムは、あくまで、勝率60%の手法を用い続けた場合の結果を示していましたので、全てが完璧に見えたと思います。
しかし、今回の場合は、Excel計算システムに勝率50%で複利運用をおこなった場合、どのようにあなたの総資産が変化して結果を見ていくことにいたしましょう。
設定条件としては、毎回10ピップスと−10ピップスの取引が勝率50%のランダムで表示される設定になっており、取引額は常に総資産の1%でおこなわれるように設定してあります。
結果はどうなるでしょうか?
以下をご覧ください。(リスク1%)
いかがでしたか?
上記の通り、1000回すべての取引を終えた結果が勝率50%になってたとしても、あなたの資金は50万円から14万円に減ってしまっているのがよくわかるかと思います。
それとは対照的に、単利運用した場合は、驚くべきことではありませんが± 0で当初の総資産50万円は完全に守られていることがよくわかるかと思います。
では、前回の検証で2000万円まで資産を増やした「リスク5%」でおこなえばどうなるのでしょうか?
以下をご覧ください。(リスク5%)
リスク5%でなんと、勝率が「50.2%」と50%を超えていても、すでに500回ぐらいトレードした所で、ほぼ破産状態になっています。
対照的に、単利運用では、資産が減るどころか60万円にふえています。
こんなことなら、単利運用すべきだったとかならず思われるでしょう。
そして、勝率が50%ちょうどになれば以下のようになります。
資金が真っ逆さまに減少し、300回で破産しています。
こうした結果から複利運用は、バルサラの破産確率で示されていますように以下のどちらかが必ず必要になることがわかります。
それは
- リスクリワード1で、勝率を上げる(勝率60%など)
- リスクリワードを上げて、勝率が50%を保つ(リスクリワード3など)
このどちらかで優位性を高めない限り、複利運用は破産へと導く危険な方法であることがわかるかと思います。
ですから、結論として手元に安定して60%以上の実力を持った手法と、それをどんな状況、取引額でもおこなうことのできる強靭なメンタルがあるのであれば、複利運用をすべきですし、そうでないなら単利運用をする方が安全であるという事なのです。
では、過去に考えてきた「必勝資金管理法① 」は50%でも利益が出る不思議な方法でした。
では、今回考えた複利運用と比較すると一体どちらの方が優秀なのでしょうか?
そして、もし二つの方法を重ねておこなう事ができるとしたら、私たちの資金管理はどれほど爆発的に上昇するのでしょうか?
次回は、その点について考えていきたいと思います。
まとめ
バルサラの破産確率とは、リスクリワードと勝率によって算出された破産する確率を示した表である。
その中では、勝率50%でリスクリワード「1」であったとしても、99%破産すると書かれているが、それは全く正しい。
なぜなら、1000回検証を通して、勝率50%で複利運用をおこなっていけば、300回ほどで破産するのに対し、単に運用であれば一切影響受ける事は無かった。
複利運用を活用するためには、勝率60%以上を安定して叩き出せる手法とメンタルを培う必要がある。
本日も、最後までご覧くださり、本当にありがとうございました。
最速FXブログのケンジでした。
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