前回の記事では、実体験を通して学んだ「初心者が陥りがちな8種類の失敗」と、その対策について考えることができました。
前回、考えることができた8種類と、今日考える7種類は以下の通りです。
FX初心者が陥る失敗:8種(前回)
- 売り、買いボタンの押し間違い
- エントリー通貨の選択間違い
- ギャンブル感覚のトレード
- ポジポジ病
- プロスペクト理論
- 戻ってくると考え、塩漬け
- レバレッジの掛けすぎ
- 土日にポジションを持ち越してしまう
FX中級者が陥る失敗:7種(今回)
- 高額詐欺ツール(インジケーター、ソフト)
- スワップ狙いトレード
- ナンピン手法
- ファンダメンタルに傾きすぎ
- 経済指標トレード
- ネット予想通りトレード
- スリップページ(ブレイクアウト手法)
では、本日は中級者が陥りやすい失敗例を考えてみましょう。
これらの失敗例の特徴は、初心者が陥るような、基本的なミスはほとんどありません。
むしろ、FX中級者として、どれほどエントリー技術を磨いても、 FXについて勉強しても、一向に勝つことができないために「何とか勝てる方法はないか」と思ってたどり着いた先に起こしてしまう失敗がほとんどです。
では、一体どんな失敗なのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
目次
失敗①:高額詐欺ツール(インジケーター、ソフト)
FXをどれほど勉強しても、なかなか勝てないときに、甘い言葉で誘いをかけてくるのが高額詐欺ツールです。
これらは大抵の場合、3万円から10万円ほどで販売されており、そのほとんどは誇大広告のような、「1日たった5分で10万円が稼げます」とか「勝率90%以上をずっと維持しています」などと言う言葉で溢れています。
そして、その広告には、大勢の方のレビューなども寄せられており、本当に稼げているような印象を与えてきます。
そして、結果として、そのツールのために数万円を払った挙句、さらにトレードでそのツールを使用しても、全く勝つことができないので、相場に対しても数万円の支払いを損切りと言う形ですることになってしまうのです。
対策:錬金術マシーンは数万円で販売していない!
私は、いつもこのことを念頭に置いています。
「もし、自分がそこら辺の石を、金に変えることができる機械があるとしたら、それをいくらで売るだろうか?」
と言うことです。
前回の記事でもお伝えしましたように、FXはお金からお金を生み出すことのできる錬金術に近い技術です。
ですから、何百万円、何千万円も生み出すことができる、そんな必勝法があれば、それを数万円で販売する事は絶対にないのです。
失敗③:スワップ狙いトレード
これは私自身が、必勝法と考え、自分の資産600万円ほどを投入しておこなったトレード手法です。
これは、「相場の変動を予測することは不可能だ!」という境地に達した時に、唯一確実に入ってくる「金利を狙う事ができれば安定したトレードをおこなうことができるのではないか」と考えるわけです。
しかし、実際には、金利のわずかな利益は相場変動によって、一瞬で飲み込まれてしまいますので、損失を計上することになってしまいます。
また、金利がとてつもなく高い通貨は、往々にして通貨の価値がドンドンと下落してしまうので、金利の数百倍もの損失を出してしまいます。
以下に高金利通貨の代表である「南アフリカランド円」のチャートを添付いたします。
このように、金利を狙って、もし買いで入っていればどうなったでしょうか?
間違いなく、大損失を被ることになるのです。
さらに研究して、「業者間両建て」などの必勝法を見つけたと思っても、実際にそれをおこなうと、大損する事は無いまでも、利益を出すことができないと言う体験もさせていただきました。
詳しくは以下をご覧ください。
»FX必勝法?異業者間両建て(さや取り)のメリット、デメリット:実体験有
対策:デイトレーダーとしての技術を磨くことに専念する
現在は、デイトレードスタイルでおこなっているために、大抵の場合、その日のうちにエントリーが終了します。
また、どれほど長くても、2日でエントリーが終了するため、現在は金利を意識していません。
それよりも、相場変動から得られる利益の方が、数倍も価値があるので、トレード技術を磨くことに意識を集中しています。
失敗③:ナンピントレード
これは、自分のトレードが思惑とは反対に、損失に傾いてしまった場合に、さらにエントリーを重ねることによって、少しだけ相場が戻っても± 0にする事ができると言う方法です。
そして、FX相場の7割がレンジ相場ですので、確かにナンピンをすれば± 0にもっていく事は、大抵の場合、可能です。
しかし、たった3割のトレンド相場が発生したときには、全資産を失ってしまう可能性のある危険な方法なのです。
以下にそうした損失をしてしまった方の例を添付いたします。
(貴重な情報を提供してくださり、ありがとうございます)
対策:素直に負けを認めて損切りする
現在、私が最も意識している事は、負けを認める方法は損切りであって、ナンピンではないと言うことです。
また、今の私のトレードスタイルは1つの通貨に対して、1週間に1回、もしくは多くても2回しかトレードチャンスは訪れませんので、ナンピンのような方法をとる事は絶対にありません。
仮に、自分の思惑とは逆に相場が動いていたとしても、それは、自分の相場観が未熟であったことの証拠です。
ですから、そこから学びを得て、次のエントリーにつなげていくことができると常に積極的に考えるようにしています。
失敗④:ファンダメンタルに傾きすぎ
これは、FX投資ニュースなどを見て、それに沿ってトレードしてしまう事です。
例えば、「今後ドル円は円高に傾いていきそうだ」ということを、いかにも相場のことをわかっていそうなお偉いさんが話すのを聞いたり、その国の情勢に関するデータや報告等を聞いて、それに信頼を置きすぎたトレードをおこなってしまうのです。
そうしたトレードをおこなってしまうと、チャート上では、はっきりと反対に進むことが示されているにもかかわらず、その潜在意識によってバイアスがかかりすぎて、常にそちら方向にエントリーをおこなったり、いつかは戻るはずだと、損切りをおこなわなかったりしてしまうのです。
対策:FXチャートは人の意識の集合体であるということを忘れない。
現在、私はファンダメンタルに関しては、一切気にしないようにしています。
私が、おこなっているデイトレードは、大抵の場合、1日で完結してしまうトレードですから、その国の情勢が影響する事はほとんどありません。
また、仮にその国の情勢が不安な状況であれば、そのことがきちんとチャート上に現れます。
また、後追いで入ってくるとても遅いニュースなどを気にしてトレードをしていれば、「裏ルートからもっと早く情報を仕入れているプロトレーダーたちの餌食になってしまうだけだ」ということを常に意識するようにしています。
失敗⑤:経済指標トレード
これは、雇用統計やFOMCなど、相場が大幅に変動する重要指標の時にエントリーをおこない、いっきに大儲けしようと言う考えのトレードです。
しかし、そうした重要指標発表時には、スプレッドが10倍以上に拡大したり、スリップページが簡単に発生してしまうために、思うように儲けることができない。
また、上に行ったかと思えば、下に行ったりと、指標の結果が良ければ上に行くというわけでもないので、安定して利益を上げることができません。
対策:雇用統計やFOMCなど、指標発表時にはエントリーをしない
私の場合、当日の夜に重要指標発表が行われる事が分かっていれば、エントリー自体を全くおこないません。
そのような日は、朝から発表までの間が大抵、様子見の動きとなり、レンジ相場になるので、エントリーをおこなったとしても、全くメリットがないからです。
指標トレードに関する詳しい情報は以下をご覧ください。
»FXの注目すべき経済指標5選と指標トレードのやり方。儲かる?
失敗⑥:ネットの予想通りにエントリーする
これは、インターネット上にあふれる、「今日はドル円は上昇するでしょう」のような天気予報に近い、相場予想に従ってエントリーをおこなってしまうことです。
これも、FXの勉強しても、全く勝てなかった時に陥ってしまう罠です。
自分よりも、もっと長く相場に関わっている方であれば、正確にチャートの動きを予想することができるだろうと考えて、それに従ってエントリーを行うわけです。
しかし、これも上記と同じで、その方の予想が毎回正確に当たるのであれば、その人が錬金術師ですから、そんな情報が無料でインターネットで得られるはずがありません。
また、それらの予想には大抵、十分な予想幅が設けられており、(例えば今週のドル円は100円から105円の間で動くでしょうなど)ほとんどの場合、外れないような仕組みになっています。
そして、最後には「私の言ったとおりでしょ」と言うわけです。
対策:人の予想にお金をかけるのではなく、自分で磨いた相場観によってエントリーをおこなう。
正直言って、それらの解説をおこなっている人たちの1部は、ある程度正しいことを言っている場合もありますが、私たち自身が、その中から正確な情報を汲み取って理解する力が最初はありません。
ですから、その人たちの意見に傾く位であれば、自分のエントリー技術や相場観を磨いて、それだけに信頼を置いてエントリーをおこなうならば、納得のいく損切りをおこなうことができるのです。
失敗⑦:スリップページ(ブレイクアウト手法)
これは、最後に起きる失敗なのかもしれません。
ある程度、相場観も身に付け、ブレイクアウトでエントリーをすると言うことを覚えた人が陥る失敗です。
何度も過去検証を重ねて、ブレイクアウトには、ある程度の優位性があることを発見します。
そして、ブレイクアウト手法は過去チャートでは、確かに優位性を発揮します。
証拠として、私自身が行った以下の過去検証の結果をご覧ください。
この結果を見るとブレイクアウト手法には約56%の勝率があり、優位性があることが分かります。
しかし、このことを信頼して、実際にエントリ-をおこなっていくと、そのようにはならないのです。
その原因はスリップページと呼ばれるもののせいです。
過去検証でブレイクアウトの検証をおこなえば、自分が注文したしたポイントで、必ずエントリーがされると考えるかもしれません。
しかし、実際には相場が急落、または急騰したような場合には、何ピップスもエントリーがずれて(スリップページして)おこなわれてしまうのです。
そのために、例えば、上下10ピップスに利確、損切りを置いておいたとしても、結果を見たら、5ピップスすべってエントリーがおこなわれており、利益がたった5ピップスしかないと言うケースが、時折発生してしまうのです。
そのため最終的には、勝率は過去検証通りのはずなのに、最終利益は± 0に近い値になってしまうのです。
ちなみに、利確に関してはスリップページは起きず、損切りに関しては、拡大する(すべる)と言う、びっくりするようなことも多々発生します。
そのことも原因で最終利益は、± 0に近い値になってしまうのです。
対策:ブレイクアウトではなく、押し目買いでエントリーをおこなう
ブレイクアウトは、確かにIFO注文をしておけば、自動的にエントリーがされるため、初心者には、うってつけのエントリー方法です。
しかし、私自身も実践したところ、ほとんど優位性を獲得することができませんでしたので、現在は常に戻りを待って、しっかりと押し目買いからエントリーをおこなうようにしています。
この押し目買い手法は、待つ手間はかかりますが、スリップページは存在しませんので、希望通りの場所でエントリーをおこなうことができます。
FX中級者が陥る失敗7種を知ってわかる事
いかがでしたか?
こうして見てみますと、初心者のような初歩的なミスをなくす事ができた後でも、様々な失敗をしてしまうことがわかります。
そして、そのほとんどは、FXの勉強を何年おこなっても安定して勝つことができないために、「何か必勝法はないか」と探した結果として失敗してしまっているものです。
正直言って、FXで利益を出すことができるようになるには、5年はかかると考えた方が良いかもしれません。
それでも、プロ野球選手よりも多くの億万長者を出している投資の世界ですから、間違いなくその5年と言う月日、そして時間は無駄にはなりません。
ですから、ぜひとも地道な過去検証と、少額エントリーを続けることによって自分の相場観を磨いていただければと思っています。
まとめ
中級者が陥りやすい失敗は以下の7つである。
- 高額詐欺ツール(インジケーター、ソフト)
- スワップ狙いトレード
- ナンピン手法
- ファンダメンタルに傾きすぎ
- 経済指標トレード
- ネット予想通りトレード
- スリップページ(ブレイクアウト手法)
本日も、最後までご覧くださり、本当にありがとうございました。
最速FXブログのケンジでした。
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