皆さんは、ブレイクアウト手法などを使っていて、「ダマシにあった」と言う経験が多々あるのではないでしょうか?
ダマシとは、重要なラインを抜けて行くと見せかけて、エントリーした途端にヒゲを出して反対に進んでいくと言う状態です。
そのような状態を見ると、詐欺にあったかのように、「騙された」と感じてしまうのです。
ですから、今日は「なぜそのようなダマシが発生するのか?」その理由について考えた後に、ダマシにあわないようにする5種類の方法について考えてみましょう。
この記事を読むことによりダマシによる損切りが激減することでしょう。
目次
FXのダマシの種類と実例
FXで言うダマシとは、重要なラインを抜けたと見せかけて、ヒゲなどを作って戻ってきてしまうことを指します。
その中には、下記のチャートの通り、水平線を越えてブレイクアウトでエントリーしたら、すぐに戻ってしまう場合があります。
もしくは、レンジ相場を形成していてレンジブレイクアウトを狙った時にヒゲで戻ってきてしまう場合などもあります。
それに加えて、水平線だけではなく、トレンドライン抜けでダマシになってしまうこともあります。
下記のチャートのように、重要なトレンドラインを抜けて、相場が転換していくと見せかけて、そのまま下って行ってしまう場合もあるのです。
このようにレンジ相場でも、トレンド相場でも、ダマシは発生してしまうのです。
なぜダマシが発生するのか?:4つの理由
ダマシが発生する理由について、理解することができれば、もちろんその対策を立てることもできます。
その4つの理由とは、以下の通りです。
ダマシが起こる4つの原因
- 理由①:長期足のラインに接する
- 理由②:逆張り勢の絶好の逆張りポイント
- 理由③:絶好の押し目買いポイント
- 理由④:機関投資家のダマシを狙ったトレード
では、1つずつ考えていましょう。
理由①:長期足のラインに接する
これは、私たちトレーダー側の努力で無くすことのできるものです。
このパターンは、直近の高値を抜けたと思って、ブレイクアウトで入ったとしても、実はそのすぐ上に、長期足の重要な水平線がある場合にはダマシが発生しやすい状況になります。
例えば、以下の1時間足の状況では、直近高値を抜けて、ブレイクアウトでエントリーできそうに見えます。
しかし、同じ場面を4時間足で見るとどうでしょうか?
実は左側に、4時間足で2度も止められている強力な水平線が、そのすぐ上に控えているのでダマシが発生してしまうのです。
当然の事ですが、15分足などの直近の高値ライン抜けよりも、4時間足レベルの水平線の方が強力なので、そうしたときに大勢の人の売りが入り、ダマシが形成されてしまうのです。
理由②:逆張り勢の絶好の逆張りポイント
私たちが買いを行うときには、その反対側にいる売りの勢力のことを絶対に忘れてはいけません。
そして、もし買いよりも待ち構えている売りの勢力の方が多ければ、すぐにダマシを形成してしまうのです。
例えば、大勢の人が利確するポイントであったり、何度も意識されている重要なラインに近づいていたりすれば、逆張り勢は一気にそこで騙しを狙って売りを仕掛けてきます。
ですからそのような逆張り勢の売りによって騙しが形成されてしまうのです。
理由③:絶好の押し目買いポイント
自分がブレイクアウトしたと考えてエントリーしたポイントは、実は押し目買い的(戻り売り的)に言えば、買うべきところであったと言う場合です。
これには、長期足で見てフィボナッチリトレースメントの50%の位置であったり、直近の高値の位置であったり、強力なトレンドラインに接したりといった場合が含まれます。
その場合は、あなたが売ろうと思っていた場所は、実は絶好の押し目買いポイントだったので容易にダマシが発生してしまうのです。
例えば、以下のチャートの通り、あなたは直近高値を抜けたところでブレイクアウトでエントリーしようとしています。
しかし、その部分は以下のチャートの通り、4時間足のフィボ50%がすぐ控えているのでむしろ、絶好の戻り売りポイントなので、ダマシが生じてしまうわけです。
理由④:機関投資家のダマシを狙ったトレード
これは主に、年末年始やサマーバケーションの期間など、相場参加者が少ない、品薄の状態になっているときに、機関投資家がダマシの動きを作ってくる場合を指しています。
通常、大勢の市場参加者がいるときには、チャートをそれほど動かすことができません。
しかし、それが休日期間中などであれば、相場を大きく動かすことも可能になるので、ブレイクアウトを狙うような初心者を刈り取るために、そのようなダマシの仕掛けを用いてくることがあるのです。
では、こうした4つの理由について理解できた今、私たちはどのようにしてそのダマシを防いでいくことができるのでしょうか?
その点を見てみましょう。
ダマシを回避する5つの方法
その方法は以下の通りです。
- 回避法①:水平線を実態で抜けて確定するまで抜けたとみなさない
- 回避法②:実体の終値ベースで抜けて確定してからエントリー
- 回避法③:長期足の水平線やトレンドラインを引いておく
- 回避法④:損切りを適切な位置に置く
- 回避法⑤:複数通貨を監視する
では、詳しく見てみましょう。
回避法①:水平線を実態で抜けて確定するまで抜けたとみなさない
これは最も簡単に行える方法です。
自分が狙っているエントリーポイントが、水平線であれ、トレンドラインであれ、IFO注文などで仕掛けっぱなしにしないようにします。
そのようにすると、以下のチャートの通り、ヒゲだけでエントリーされてしまい、すぐに反転してしまう可能性が有るのです。
むしろ、そのラインを抜けて、実体で確定した段階で初めて、エントリーをすると言う方法を使うことによって、まずは50%のダマシをなくすことができるでしょう。
回避法②:実体の終値ベースで抜けて確定してからエントリー
これも騙しのパターンとしてよく発生するのですが、以下のチャートの通り、実態で抜けて確定したと思っても、次の足ですぐにラインの内側に戻ってきて、反転していってしまう場合があります。
これはとても簡単な原理で、自分が見ている足(1時間足)の1つ上の時間足(日足)でそのチャートを見れば、それはヒゲで終わっていると言うことです。
ですから、そのような上位足のヒゲをなくすために、少なくともローソク足の終値がラインの下で確定するのを確認してから、エントリーを行うなら、さらにだましを減らすことができます。
ただ、この方法を使うとエントリー自体が遅くなってしまい、損切りまでの距離が遠くなってしまう可能性もあるので、上記の回避法①とバランスをとりながら用いる必要があります。
回避法③:長期足の水平線やトレンドラインを引いておく
監視足(1時間足)的に見て抜けたと思っても、長期足(日足)の水平線に当たって騙されてしまうことを防ぐために、以下のチャートの通り、自分のチャートに別の色で長期足のラインを引いておくことができます。
そのようにしておけば、長期足の壁を認識することができ、危険なエントリー自体を控えることができるでしょう。
回避法④:損切りを適切な位置に置く
もしあなたが、損切りまでをピップスで決めているのであれば、根拠ある損切り位置に変更するのは良いことです。
例えば、下のチャートにありますように、ブレイクアウトでエントリーするのであれば、損切りは直近安値の位置になります。
なぜなら、そこを抜けてしまえば、ダウ理論的に上昇トレンドが崩れてしまうからです。
ですから、大勢のトレーダーたちは、そこ直近安値の水平線を重要視しているため、そこまで下落してきても、それを支えようと言う意識が働くのです。
しかし、ピップスで損切り値を決めているとすれば、何の根拠もなく下抜けてしまう可能性が高いので、少なくとも1つの壁として、ダウ理論を用いることができるのです。
詳しい情報は、以下の記事をご覧ください。
»利確、損切り:pips固定、チャート合わせ?比較、おすすめは?
回避法⑤:複数通貨を監視する
これは少しレベルの高い方法になりますが、通貨同士の相関関係を利用してダマシを防ぐことができます。
例えば、相関係数が極めて「1」に近いAUD/JPYとNZD/JPYのチャートを同時に監視することによってこれを行います。
もし、相関関係の強い片方のチャートが重要なラインを先に抜いており、その後、自分がエントリーしようとしている通貨がブレイクアウトしたのであれば、通常、ダマシとなって戻される可能性は低くなります。
なぜなら、動きの似ている別の通貨が既に壁を抜けているからです。
相関係数や複数通貨監視法に関しては、以下の記事をご覧ください。
»FXの複数通貨監視のやり方とメリット3種とデメリット3種(実践中)
だましが起こる原因と対策について考慮して言えること
いかがでしたか?
こうして、ダマシが起こる原因と対策について考えてみると、ほとんどの場合、それを防ぐ事は可能であるということがわかります。
ですから、FX初心者のうちは「騙された」と言って失敗をなんとか相場や人のせいにしたいと思うのですが、実際には自分の知識と経験不足のゆえに、そうしたことが起きているのです。
ですから、本日勉強することができましたように、しっかりと一つ一つ根拠を積み重ねて、確実なエントリーを行っていきましょう。
まとめ
ダマシが起こる4つの原因
- 理由①:長期足のラインに接する
- 理由②:逆張り勢の絶好の逆張りポイント
- 理由③:絶好の押し目買いポイント
- 理由④:機関投資家のダマシを狙ったトレード
ダマシを回避する5つの方法
- 回避法①:水平線を実態で抜けて、確定するまで抜けたとみなさない
- 回避法②:実体の終値ベースで抜けて、確定してからエントリー
- 回避法③:長期足の水平線やトレンドラインを引いておく
- 回避法④:損切りを適切な位置に置く
- 回避法⑤:複数通貨を監視する
本日も、最後までご覧くださり、本当にありがとうございました。
最速FXブログのケンジでした。
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