FX業界の中で、「押し目買いとブレイクアウトのどちらが良いのかと?」と言う討論と同じようによく語られるのが、この「順張りと逆張りのどちらが良いか」と言う問題です。
結論からお伝えしますと、どちらも根拠あるトレードであれば、使用可能です。
では、何をもって根拠とすることができるのでしょうか?
また、それをどのように実際のトレードで用いることができるのでしょうか?
今日は、こうした点を順番に考えていきましょう。
まずは「順張り、そして逆張りとは何か」という点を復習しておきましょう。
目次
FXの順張り、逆張りとは何か?
順張りとは何か?
簡単に言うと、順張りとは、現在のトレンドに沿ってトレードを行うことです。
どうぞ、下記のチャートご覧ください。
こちらのチャートでは、安値も高値を切り上げた状態(上昇トレンド)を示しています。
ですから、こうしたチャートでは、買いのみしか考えないというのが、順張りの考え方です。
例えば、以下のチャートの中のエリオット波動の第2波や第4波に相当するような、トレンドとは逆の「戻り」を作るような場所でもトレードをおこなう事は出来ます。
しかし、全体の流れとは逆になってしまうので、そうした部分は完全にトレードを見過ごし、第3波と第5波の上昇の部分だけをトレードすると言うのが順張りの考え方です。
逆張りとは何か?
逆張りとは、先程の順張りと全く反対で、高値も安値を切り上げているような状態で売りのみを考えていくと言う方法です。
ですから、先ほども利用した上記のチャートで言うところの、第2波と第4波、もしくは天井をつけた後の下降の第1波に相当する部分をトレードしていくことを指しています。
何を基準に順張り、逆張りとするか!
上記のように、順張り、逆張りの説明をしますと、あたかも他のサイトでも当たり前のように書かれていますように、「初心者は順張りから始めた方が良いのではないか」と思われるかもしれません。
しかし、実はそんな簡単にまとめることは出来ません。
なぜなら、時間足を変えれば、逆張りは順張りに変わりますし、順張りは逆張りに変化するからです。
逆張りが、実は順張りのパターン
先ほどのチャートを使って考えてみましょう。
例えば、上記の1時間足チャートのエリオット波動の第2波から第3波に転換する部分を15分足して拡大表示してみましょう。
それが以下のチャートです。
今は、あなたが前回のネックライン(A)で押し目買いをするために待ち伏せている状況です。
そして、そのラインに予定通りローソク足が触れたときに、反転することを示すローソク足(かぶせ足)が発生しました。
その後、ローソク足が確定するのを待って、あなたはいち早く逆張りでトレードを行いました。
では、このトレードは逆張りですか?
確かに、15分足の流れで言えば、絶賛下落トレンド中ですが、下記のチャートの通り、1時間足してみれば、それが順張りの押し目買いの最高のポイントだったのです。
順張りが、実は逆張りになるパターン
同様に、下記の1時間足で順張りでトレードすることを想像してみてください。
あなたは、エリオット波動の第3波を取ろうとしていれば、順張りで間違いないでしょうか?
では、その同じ部分を4時間足で見てみましょう。
するとどうでしょうか?
第3波の部分は、実は4時間足の大きな下落トレンドの戻しの部分、つまり4時間足の逆張りトレードに相当する部分だったのです。
ですから、上記の通り、見る時間足によって何を順張り、逆張りとするかは変化してしまうので、一口に「順張りが良い」と言う事はできないのです。
では、私たちは結局のところ、順張りと逆張りのどちらでトレードしたら良いのでしょうか?
その答えは、どちらであっても根拠あるエントリーをすると言うことです。
順張りでも、逆張りでも、根拠あるエントリー
多くのサイトで書かれていますように、FXとは「上昇しているチャートであれば、どこで買っても勝てる」と言うわけではありません。
大切なのは、根拠のある場所でエントリーすると言うことです。
その根拠とは、以下の2種類です。
①:順張りに順張りを重ねる
例えば、このブログでお勧めしている「相場の原理原則手法」では、順張りに順張りを重ねてトレードすることをお勧めしています。
先程のチャートで見てみましょう。
この1時間足チャートを見ていますと、これまでの下落のトレンドを支えてきたトレンドラインとラストの戻り高値を超えて、1時間足レベルでトレンド転換したことを示しています。
ですから、この状態で買うと言う事は、順張りと言うことができるのです。
しかし、そのエリオット波動の第1波が発生した後、第2波の戻りをつけるときには、確かに1時間足では順張りの状態ではあるものの、その頂点で買ってしまえば、もちろん負けてしまいます。
ですから、その後の第2波の戻りを待つ必要があるのです。
では、戻ったところで15分足チャートに切り替えていきましょう。
当然のことですが、15分足では絶賛下落トレンド中ですから、すぐに買いを入れることは逆張りになってしまいます。
ですから、15分足レベルでも切り下げラインを抜け、戻り高値ラインを抜けた時に行う買いエントリーが初めて順張りになるわけです。
このように、1時間足でも15分足でも順張りでエントリーすることにより、勝率を高めることができるわけです。
さらに、勝率を上げたければ、さらに1つ上の4時間足でも、順張りになっていることを確認すると良いでしょう。
②:反発ラインと反発ローソク足を根拠とする
では、このような押し目買いのパターンでは、逆張りを用いることができないのでしょうか?
いいえ、そうではありません。
このブログの中で、「15分足反発手法」として紹介されている方法を使えば、逆張りでエントリーすることもできます。
例えば、先ほどと全く同じパターンで、あなたは1時間足の第2波の戻りを待って、第3波からエントリーしようと考えているとします。
そうした場合に、反発が予想されるのは前回高値かネックラインの部分です。
ですから、その部分であなたが待ち構えていると、チャートがそのラインに触れました。
そして、そこで15分足に切り替えたのが、以下のチャートです。
こちらでは、酒田5法で示されている三川のうちの「かぶせ足」のローソク足の形が示されており、「上に上がっていくぞ」と言う意識を示していることがわかります。
ローソク足の反発パターンに関しては、以下をご覧ください。
»酒田五法:勝率60%のスキャルピング手法の基礎。最も簡単な解説
ですから、あなたはここで反発するであろうラインと、反発を示すローソク足と言う2つの証拠に基づいて、逆張りをすることもできるのです。
そして、これら2つのトレードは、どちらも1時間足レベルで見れば順張りと言うことができますので、優位性は高いのです。
順張りと逆張りのメリット、デメリット
では、上記の2つの順張りと逆張りであれば、一体どちらを用いた方が良いのでしょうか?
それは、以下のメリットとデメリットを考慮した上で、選択していただけます。
順張り+順張りのメリット、デメリット
メリット:勝率が高い
デメリット:損切りまでが遠い(リスクリワード1のみ)
当然のことですが、1時間足と15分足の両方が、順張りになることを確認してからエントリーをするわけですから、上昇していく確率は、かなり上がります。
ですから、そこにエリオット波動定規などを加えて、利確ポイントなども選定することにより、70%以上の勝率を上げることができるでしょう。
とはいえ、損切り値がとても遠くなってしまうために、大抵の場合、直近高値までで利確を収めることができません。
また、損小利大、つまりリスクリワード3などのエントリーを行うこともほぼ不可能です。
毎回、リスクリワード1のエントリーをおこない、勝率でカバーして優位性を発揮していく手法になります。
順張り+逆張りのメリット、デメリット
メリット:損切りまでが近く、損小利大トレードができる
デメリット:勝率が低い
この「15分足反発手法」でも示されていますように、この方法の最大のメリットは、損切りまでの距離を極めて小さくできると言うことです。
ですから、その結果として、直近高値までを利確幅として設定しても、リスクリワード3から5などの損小利大トレードを行うことも可能です。
ただ、それとは対照的に、デメリットとして挙げられるのは、勝率が低いと言うことです。
確かに2つの根拠、つまり反発ラインや反発ローソク足を確認してからエントリーを行うものの、絶賛下落トレンド中に思い切って入れていくわけですから、そのまま下抜けてしまうという事はよくあることです。
そして、もう少し下がってから、あざ笑うかのように上昇していくと言うことも、多々発生するのです。
ですから、実際「15分足反発手法」も勝率60%ほどしかあげることができません。
順張りと逆張りを比較して、言えること
このように、今日は順張りと逆張りを比較、考慮してみることができました。
そして、それぞれの手法には、メリットとデメリットがあることがわかりましたので、自分の好みに合わせて選択していただけることも分かりました。
では、こうしたFX相場の深い真理、つまり順張りと逆張りのメリット、デメリットを十分理解した上で、優位性のあるトレードを心掛けていきましょう。
まとめ
何をもって、順張り、逆張りとするかと言う事は、監視する時間足によって全く変化してしまう。
多くのサイトで言われているように、「初心者であれば順張りの方が良い」と言う言葉だけを信じて、右肩上がりのチャートを見れば、買えば良いと言うわけではない。
大切なのは、順張り、逆張りのどちらを選択するにせよ、根拠あるエントリーを常に行うことである。
そして、それぞれのメリットとデメリットを理解してエントリーする必要がある。
本日も、最後までご覧くださり、本当にありがとうございました。
最速FXブログのケンジでした。
コメント