FXで、必勝法と調べると出てくるものの中に、「ナンピン手法」と言うものがあります。
そして、それをさらに進化させた、勝率100%の「ナンピンマーチンゲル手法」と言うものさえ出てくることがあります。
では、それらの手法は、本当に今日から使える必勝法になり得るのでしょうか?
今日はその点を他のサイトのように模式図ではなく、実際のチャートに当てはめて考えていましょう。
ちなみに、最初に結論をお伝えしますと、ナンピン手法は破産確率100%で、ナンピンマーチンゲール手法は破産確率1000%です。
絶対に、これらの手法を使ってはいけません。
では、なぜそのように言えるのでしょうか?
それぞれの手法の特徴と、危険性について考えてみましょう。
目次
ナンピン手法とは何か?
簡単に言うと、ナンピン手法とは、相場が自分の予想に反して、逆に進んでしまったときに、損切りをせずに買い増しをすることをいいます。
実例で考えてみましょう。
例えば、あなたがUSD/JPYを104円で1ロットを買ったとします。
そして、その後あなたの思惑とは違い、チャートは102円になってしまいました。
その時の損失は2万円です。
そこであなたは、損切りをするのもったいないと感じ、そこで再び1ロットを買い増しします。
すると、どうなるでしょうか?
本来この買い増しをしなければ、あなたのトレードは価格が104円まで戻らなければ、±0円にはなりません。
しかし、102円で1ロット買い増しをすることにより、103円になった段階で± 0円になり、なお良いことに104円に戻ったとすれば、+2万円でそのトレードを終えることができるのです。
これだけ聞くと、とても良い方法に聞こえるのではありませんか?
ナンピン手法は必勝法となりえるか?
確かに、FX相場の7割は、レンジ相場と言われていますので、大抵の場合このようなナンピン手法を用いれば、早い段階で損失を± 0にすることができ、もっと言えば利益を獲得することさえできるでしょう。
しかし、以下のチャートで、ナンピン手法を使ったらどうなるか想像してみてください。
あなたは113円で買いエントリーをし、その後、先ほどと同じように2円下がった111円でさらに買い増しをし、その後もさらに109円と107円と105円で買い増しをしていきます。
そして、チャートはそのまま現在まで、113円まで戻ってきていません。
このかなり戻ってきた108円の段階でも、あなたの損失は4万円です。
もちろん、あなたがこの損失に耐え続けることができれば、何年か後に価格は戻ってくるかもしれません。
しかし、少なくともあなたの3ロット分の証拠金13万5千円は、牢屋につかまったかのようにずっと釘付けになりますので、その資金回転効率は極端に下がってしまうのです。
そうであれば、さらにナンピン手法を改良した、ナンピンマーチンゲール手法を利用すれば良いのではないでしょうか。
ナンピンマーチンゲル手法とは?
こちらは、ナンピン手法にマーチンゲール手法と言うものを重ね合したものになります。
マーチンゲール手法、単独の注意点に関しては、以下の記事をご覧ください。
»マーチンゲール手法はFXの必勝法?おすすめ?1000回検証
この手法は、簡単に言うと、あなたが最初に1ロットでエントリーをし、思惑とは違いチャートが下落してしまった場合、さらに同じ通貨量を購入するのではなく、その最初の購入量の2倍(2ロット)を購入すると言う方法です。
そして、それよりもさらに下がってしまえば4倍を、そして8倍、16倍、32倍と、どんどんと通貨量を増やしながらナンピンを行っていくと言う手法です。
では、実際にそれを相場で用いると、どのような利点があるのでしょうか?
先程の実例で考えていましょう。
あなたが104円で1ロットを買いでエントリーしました。
しかし、その思惑とは違いチャートは、ズルズルと102円まで落ちてしまいました。
そこであなたは、先程の2倍にあたる2ロットでさらに買い増しを行います。
するとどうなるでしょうか?
チャートが103円に戻った段階で、先程の通常のナンピンであれば± 0でしたが、このナンピンマーチンゲール手法の場合は1万円の利益さえ出すことができました。
このように、ナンピンマーチンゲルは、さらに損失をカバーする力を強くすることができ、容易に利益を出すことができると言う特徴があります。
では、この方法こそ隠されてきたFXの必勝法なのではありませんか?
勝率100%?のナンピンマーチンゲル手法:破産確率1000%
当然の事ですが、上記のナンピン手法と同じで、FX相場の7割はレンジ相場ですから、この手法を用いれば、さらにコツコツ利益を重ねることができるでしょう。
しかし、FX相場は残りの3割で1度上昇または下降の流れが出てしまうと、そのまま戻ってこないと言う特徴があります。
ですから、ナンピンマーチンゲール手法を行えば、さらに加速度的に損失を増やしてしまうことになるのです。
では実際、どのぐらいの損失や証拠金を覚悟する必要があるのか、確認してみましょう。
上記の状況に当てはめてみましょう。
あなたは113円で買いエントリーの後、2円毎に買い増していきました。
たしかに、108円まで戻ってきたときには、41万円の利益が出ています。
しかし、その陰にどんな危険と証拠金が隠れているでしょうか?
もし、先程のナンピン手法であれば、105円まで落下した段階で20万円の損失だったのが、ナンピンマーチンゲル手法の場合は、52万円の損失になっているのです。
そして、その時の必要な証拠金はレバレッジ25倍でも約140万円です。
最近のほとんどのFX会社は、ロスカットのルールが「証拠金の100%を下回ったら」となっていますので、合計約200万円以上FX口座に入っていなければ、52万円の損失は、自動で確定されてしまうのです。
その時、間違いなくあなたは、その膨大な損失から「FXをもう二度とやらない」と相場から退場してしまっていることでしょう。
実際に、そのような経験をしてしまった方の動画が、以下の通りです。
(貴重な動画を投稿してくださり、ありがとうございます)
ナンピンマーチンゲール手法を用いた自動売買ソフト
ちなみに、こうしたナンピン手法やナンピンマーチンゲル手法を用いた自動売買ソフトが多数販売されていますので、それらに本当に気をつける必要があります。
これらの自動売買ソフトの損益グラフを見ると、嘘のように右肩あがりを示しており、完全無欠のヒーローソフトのように思います。
しかし、そうしたマーケットでは、ひた隠しにされているのが以下のような損益グラフです。
この損益表を見ると、最後の合計額は驚愕のマイナス180万円、マイナス10000pips、総資産の50%を失っています。
このように、途中まではずっと右肩上がりのグラフを示していたとしても、大きなトレンド相場が発生したときに、今までの利益を全て吹き飛ばして、大幅な損失を出してしまうのです。
そして、その時にはそのサイト上から、そのソフトを削除すれば良いだけなのです。
そのようにして、私たちには損失を出しているソフトが目に触れることがないように工夫されているのです。
ですから、そのような右肩上がりのグラフを見たら、その手法は大抵ナンピン手法をベースに作られていますので、絶対に手を出さないようにしてください。
ナンピン手法2種類について学んで言えること
これら、2つの手法について考えていますと、人間の負けたくないと言う感情的な弱みにつけ込んでいることがよくわかります。
しかし、FXトレードとは、負けないトレードを見つけるのではなく、勝ち負けを繰り返して、最終的に勝ちがわずかに多ければ良い、野球のペナントレースのようなものです。
ですから、私たちは優位性のあるトレードを積み重ねていくことによって、最終的に安全で儲かる投資を行っていくことにいたしましょう。
まとめ
ナンピン手法
エントリーした後、損失になってしまった場合に、さらに同じ通貨量を買い増しをおこなって、早い段階で± 0にもっていく手法
ナンピンマーチンゲール手法
エントリーした後に、損失になってしまった場合に、さらに2倍、4倍、8倍、16倍と倍々形式で通貨量を増やしながら買い増しをおこなっていく方法。
上記の方法は、どちらもトレンド相場が発生したときに、破滅的な損失を出してしまうため絶対に用いてはならない。
本日も、最後までご覧くださり、本当にありがとうございました。
最速FXブログのケンジでした。
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