人間とは、失敗から学んでいく生き物です。
しかし、失敗せずに済むならば、それに越した事はありません。
特に、お金が絡んでいるならば、損失はできるだけ避けたいですよね。
しかし、インターネットの上で「FX失敗」と検索すると、それらの情報は「本当に、それ体験したの?」と言うような記事ばかりが載せられています。
ですから、今日の記事と次回の記事では、専業トレーダーだからこそ書ける「実体験」に基づいた15種類(初心者8種、中級者7種)の失敗パターンについてお伝えしたいと思います。
そして、その対策も全てお伝えしたいと思います。
その15種類の失敗パターンとは、
FX初心者が陥る失敗:8種(今回)
- 売り、買いボタンの押し間違い
- エントリー通貨の選択間違い
- ギャンブル感覚のトレード
- ポジポジ病
- プロスペクト理論
- 戻ってくると考え、塩漬け
- レバレッジの掛けすぎ
- 土日にポジションを持ち越してしまう
FX中級者が陥る失敗:7種(次回)
- 高額詐欺ツール(インジケーター、ソフト)
- スワップ狙いトレード
- ナンピン手法
- ファンダメンタルに傾きすぎ
- 経済指標トレード
- ネット予想通りトレード
- スリップページ(ブレイクアウト手法)
まずは、FX初心者が陥る失敗、8種を順番に考えてみましょう。
目次
初心者失敗①:売りと買いのボタンを押し間違える
なぜかインターネット上には、この失敗が載せられていませんが、初心者の頃はこの間違いが、時折発生します。
なぜなら、初心者の頃は、大抵スキャルピングトレードから始めて、チャートを開いてすぐにエントリーをしようと考えるために、ボタンの押し間違いを起こしてしまうのです。
また、指標トレードなど、雇用統計のような相場が急変したときに急いでエントリーをしようと思うと、こうした間違いが発生してしまうのです。
もちろん、すぐに決済してしまえば、それほど大損にはならないかもしれませんが、最悪の場合、そのまま損切りすることができずに、ズルズルと損失が膨らんでしまう可能性があるので、注意する必要があります。
対策:指差し呼称、デイトレード
とてもシンプルな対策ですが、私自身は建設現場などで使われてもいる「指差し呼称」をしてエントリーをするようにしています。
あほらしく聞こえてしまうかもしれませんが、チャートを見ながら、「「買いですね。買い」と2回確認してから、エントリーボタンを押すようにしています。
そのようにしてから、押し間違いは無くなりました。
どんなにすぐにエントリーしなければならない状況に見えても、その一呼吸によって、数千円もの差額が出る事はほぼありません。
ですから、どうぞ、皆さんもなさってみてください。
それと同時に、優位性を得るのが難しいスキャルピングトレードから離れ、デイトレードに移行すると言うのも良い手段です。
現在、私は1時間足を中心としたデイトレードをおこなっていますので、以前のように、焦ってエントリーをする事は無くなりました。
初心者失敗②:売買する通貨を間違えてしまう
これも初歩的なミスに思いますが、上記の通り焦っておこなうスキャルピングトレードでは、時折発生していました。
特に、パソコンを見ながらスマホでエントリーをおこなったり、MT4のデモ口座を見ながらパソコンのFX会社の画面から注文をおこなうなど、違うツールをまたいでトレードする場合には、こうしたことがよく発生します。
特に、FX会社のツールを立ち上げたときには、初期画面がUSD/JPYになっているケースもよくありますから、EUR/JPYでエントリーをしたつもりが、USD/JPYでエントリーがされてしまうということが起きてしまうのです。
対策:FX会社のチャートからのみエントリー
現在、私がおこなっている方法は、FX会社のチャート上を右クリックして出てくる注文パネルのみを使って、エントリーをおこなうという方法です。
私が使用しているFX会社:JFXでは、チャート上で右クリックをすれば、リアルタイム注文やIFO注文など、様々な注文をおこなうことができます。
そして、当然のことですが、現在自分が見ているチャートの通貨の注文画面が表示されますので、通貨の選択間違いを起こす事はありません。
ただ、詳細な分析は、やはりMT4のデモ口座を中心におこなっていますので、エントリー時には、やはり「指差し確認」をおこなってエントリーをするようにもしています。
初心者失敗③:ギャンブル感覚のトレード
これは、最も初期の段階で起こしてしまう失敗です。
FXを始める方の多くは、良い教育を受けておられたり、ある程度、会社で良い立場におられる方が多く、どこかでFXに対して自信を持ってしまう傾向があります。
私自身もそうでした。
それとは別に、パチンコや競馬など、日常的にギャンブルをしておられる方であれば、それと同様の扱いでトレードをおこなってしまうという傾向もあります。
実際には、「次は買いだ」とか「次は売りと見せかけて買いだな」とか、何の根拠もないトレードを繰り返してしまうのです。
もちろん、すぐに損切りをすることができれば、大損には至りませんが、大抵の場合、損切りすることができず、損失が数万円にも膨らんでから泣く泣く損切りせざるをを得なくなってしまうのです。
対策:プロ意識、FXは仕事であるという意識を持つ
現在の私の頭の中に、いつまでも残っているのは、インターネット上で見つけた次の言葉です。
「もし、あなたが30年間働き続けたその職場に、今日から新入社員がやってきて
「1日、5分から10分でできる仕事はありませんか?
そんなに儲けられなくてもいいんです。
1か月に2,3万稼げればそれでいいんです。」
と言ったらなんと答えられるでしょうか?」
と言うものです。
間違いなくあなたは、「帰れ、ここはプロの世界だ!そんな甘い世界じゃない!」と答えられるでしょう。
この言葉を読んでから、「FXは仕事である」と言うことをいつも自分に言い聞かせています。
日本でも、プロ野球選手よりも、大勢の億万長者を輩出している錬金術に近いFXトレードですから、普通以上のプロ意識を持ったものしか、稼ぐことができないということがわかるのではないでしょうか?
初心者失敗④:ポジポジ病
これは、自分がトレードしているときには、常にポジションを持っていなければならないと言う病気です。
これも、日本人特有のものですが、すべてを時給換算で考えてしまうのです。
例えば、「自分が、パソコンの前に3時間座り続けたわけだから、その時給として3000円以上は儲けなければならない」と言う考えから、何の根拠もなくポジションを持ってしまうわけです。
そして、その何の優位性もない場所でのエントリーは、最終的には必ず負ける方向に働いてしまうのです。
対策:FXは釣りをするのと同じと考える
FXは時給で働く従業員ではなく、釣りのような感覚であることを忘れないようにしています。
もし、皆さんが釣りをしに朝早くから、もしくは、深夜から出かけて、高額な生き餌を使ったり、撒き餌を使ったりすれば、何とか魚を釣りたいと思うのは自然なことでしょう。
しかし、そう思って落ち着きなく竿を動かし続けたり、リールを巻いては投げ、巻いては投げばかりを繰り返していたら、いつまでたっても魚を釣る事はできないのではないでしょうか?
FXもそれと同じで、本当に優位性のあるタイミングが来たときにだけ、狙い撃ちをするかのように、エントリーをおこなう必要があるのです。
ですから、わたしも丸1日、2日エントリーしないことも、多々生じます。
しかし、その待っている時間も過去検証をおこない、どんどんと自分の技術を磨いていくことができるのです。
初心者失敗⑤:プロスペクト理論
これは、利益はすぐにでも確定させたいと思い、損切りはできる限り確定したくないという感情に陥ることです。
私の場合は、最も初期にこの症状が現れました。
しかし、比較的早い段階で、「こんなエントリーを繰り返していてはいつまでたっても儲けられない」と分かったので、すぐに以下の対策をすることができました。
対策:IFO注文で利確と損切りを最初から設定しておく
エントリーをした段階で、根拠ある損切りまでと、それと同じ値の利確を「IFO注文」で設定しておくことにより、自分の感情をすべて排除することができます。
そして、自分の相場観と、その手法が持っている純粋な力のみを発揮させることができています。
IFO注文に関する詳しい情報は以下をご覧ください。
初心者失敗⑥:戻ってくると考え、ポジションを塩漬
これは、上記に解説した失敗の後に、起こしてしまうものです。
FX相場は、その7割以上がレンジ相場と言われていますので、確かにいったん損失に傾いたとしても70%は待っていれば、その同じ価格に戻ってきて損失を回避することができるのです。
そして、そうした実体験が何度も発生してしまうので、損失が出ても、「今回もいつもの通り戻ってくるだろう」と、損切りをしないで放置してしまうのです。
そして、残りのたった30%のトレンド相場がやってきたときに、今までの利益全てを吹き飛ばしてしまうほどの、損失を出してしまうのです。
対策:IFO注文をする。資金回転効率について考える
もちろん、こちらも上記のIFO注文をおこなえば、自分の感情に関係なく損切りをしてくれますので、防ぐことができます。
しかし、それと同時に理解しておかなければならないのは、損失を持ち続ける事は、機会損失につながり、資金回転効率を大幅に下げてしまうという事です。
ですから、さっさと損切りをして、次のエントリーに資金を回すことの方が、よっぽど最終的な利益を上げられると言うことを、十分に理解しておく必要もあります。
以下に損失を抱えたまま、何日間も新規ポジションを取れないでいる例を添付いたしますのでご覧ください。
(貴重な動画を提供してくださっていることに感謝いたします。)
初心者失敗⑦:レバレッジの掛けすぎ
これは、FXのメリットでもあり、デメリットとも言うべき部分ですが、FXでは、てこの原理のように、自分の資金の何十倍、何百倍もの通貨量を取引することができます。
ですから、手っ取り早く大儲けしたいと言う考えから、自分の資金以上のレバレッジをかけて大損してしまうのです。
現在の日本の法定レバレッジは25倍ですが、海外口座では1000倍までレバレッジをかけられる会社がありますので、そのようなレバレッジでは、たった1pipsの変動で10万円が吹き飛んでしまいます。
対策:1回のトレード損失を総資産の1%以下に抑える
以下の記事にも載せられていますように、バルサラの破産確率との関係性からも、1回の最大損失を総資産の1%以下に抑えるというルールでトレードしなければなりません。
ですから、そうであれば、国内口座のレバレッジ25倍あれば充分なトレードをおこなうことができます。
「総資産の1%損切りルール」と「バルサラの破産確率」に関しては、以下をご覧ください。
»FXで大損しない為に最初に知るべき事:9割が出来ない資金管理法3選
»バルサラの破産確率の嘘と真実:複利運用の最大の罠、1000回検証
初心者失敗⑧:土日へのポジション持ち越し
これは、かなり中級者に近づいてきた方々が、してしまう失敗かもしれません。
それは、金曜日に持ったポジションが、ある程度プラスの状態であれば、そのまま土日もポジションを持ったまま休日に入ってしまうと言う、持ち越しです。
もちろん、このトレードはIFO注文などで、利確や損切りがきちんと設定されているかもしれませんが、土日にとても大きな事件などが発生すれば、月曜日の注文開始時には、大きな窓開けでスタートしてしまうことがあります。
そして、当然の事ですが、その窓開けの空間には、レート自体が存在しません。
ですから、どれほど損切り注文をしていたとしても、損切りはそのとてつもなく離れた位置で約定されてしまうのです。
ときには、数百pipsも窓あきを起こすことがありますから、膨大な損失を発生させてしまう可能性があるのです。
対策:金曜日のエントリーを厳選する
現在、私は金曜日の夜には、よほどのことがない限りポジションを持たないようにしています。
ポジションを持つとすれば、あまりにもチャートパターンが綺麗で、どうあっても勝てる、もしくは比較的すぐに決済がおこなわれるような場合のみにエントリーをしています。
ですから、基本的には金曜日には、エントリーを厳選し、土日にポジションの持ち越しはしないようにしています。
FX初心者が陥る失敗8種を知ってわかる事
いかがだったでしょうか?
おそらく、身に覚えのある失敗もたくさんあったのではないでしょうか?
しかし、トレードを始めて間もない頃、つまり取引金額が少ない段階で、失敗を経験しておくのはとても良いことです。
なぜなら、10万通貨ほどで取引するようになってから、こうした問題を起こしてしまえば、その損失は数万円もしくは数十万円にもなってしまうからです。
ですから、本日勉強することができました、それぞれの対策を実践することにより、同様の失敗をすることなく、安定したトレードができるように願っております。
次回は、このような初歩的な失敗を乗り越えた後に、どうしても起こしてしまう中級者の失敗について、取り上げていきたいと思います。
これらの失敗も普通は絶対に避けて通れない道ですので、ぜひあらかじめその対策について知っていただければと思います。
まとめ
初心者が起こしてしまう失敗は、以下の8種類である
- 売り、買いボタンの押し間違い
- エントリー通貨の選択間違い
- ギャンブル感覚のトレード
- ポジポジ病
- プロスペクト理論
- 戻ってくると考え、塩漬け
- レバレッジの掛けすぎ
- 土日にポジションを持ち越してしまう
本日も、最後までご覧くださり、本当にありがとうございました。
最速FXブログのケンジでした。
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