前回の記事では、サイコロトレードと呼ばれるサイコロによって、売りか買いを決める手法の利点と欠点について確認することができました。
本日は、 FX 業界の中で必勝法と時折言われるマーチンゲール手法が、一体どれほど危険で不効率なものかについて1000回の検証を通して考えてみましょう。
この記事を通して、あなたはリアルトレードでは絶対に確認することのできない1000回分の検証を、たった5分ほどで、はっきりと確認することができるでしょう。
目次
マーチンゲール手法とは?FX必勝法?
まずは、マーチンゲール手法がどんなものかを確認しておきましょう。
マーチンゲール手法とは、例えば最初に1万通貨のトレードをおこなって、それが負けた場合には、2万通貨、さらに負けた場合には、4万通貨、8万通貨、16万通貨、32万通貨といった具合に連敗した場合に、無限にトレードする通貨量を倍々にしていくという手法です。
そして、勝利することができた場合には、一番最初の1万通貨に戻します。
ですから、これにサイコロトレードを組み合わせるとすれば、その勝率は50%のわけですから、最終的には勝利で終わることができるという必勝法?に見えるトレード手法です。
そして、確率論的に言う連敗する確率については以下の通りです。
連敗数 | 確率 | 生活のどんな確率 |
3連敗 | 12.5% | |
5連敗 | 3.1% | |
8連敗 | 0.4% | 双子が生まれる |
10連敗 | 0.1% | 1年間で空き巣にあう確率 |
この表で示されていますように、10連敗する確率は0.1%なので普通では全く起こりそうない、すごい数字ですよね。
ですから、そんなことは起こり得ないと考えて、どんどんと掛け金を増やしていってしまうわけです。
しかし、この確率0.1%は、私たちの現実世界では、1年間に空き巣にあうのと同じものだそうです。大勢の方は「空き巣にあうかも」と思ってしっかり戸締りを確認しますよね。
では、このマーチンゲール手法は、相場で本当に通用するのでしょうか?
マーチンゲール手法、FX必勝法?1000回検証!
どうぞ、以下のエクセル計算システムをご覧ください。
このシステムの条件としては、前回のサイコロトレードと全く同じように、損切りと利確幅を同じにし、勝率を50%に設定しています。
それぞれのグラフは、勝率、損益、毎回必要な通貨量を示しています。
そして、その取引を約100回ずつを1セットとし、それを10セットおこない合計1000回の検証をするものです。
リアルトレードも本当にそうなるのですが、50%に設定していたとしても100回トレードを終えた時に必ず勝率50%になるというわけではありません。
ですから、そうした点を含めながらマーチンゲール手法がどのようになっていくのかを見てみましょう。
1回目 勝率47% 損益8800円
2回目 勝率50% 損益10000円
3回目 勝率47% 損益9400円
4回目 勝率51% 損益9600円
5回目 勝率54% 損益10600円
6回目 勝率53% 損益10600円
7回目 勝率57% 損益11400円
8回目 勝率46% 損益9200円
9回目 勝率50% 損益9800円
10回目 勝率51% 損益10200円
いかがでしたか?
合計1000回のトレードの結果は、以下のようなものでした。
びっくりするほどの必勝法ですね!
すべてのセットで最終的に利益を残すことができていますね。では、明日からこれでトレードしますか?
いいえ、絶対にいけません。問題はその過程で起きているのです。
マーチンゲール手法を絶対に使ってはいけない理由!
例えば、このセットのトレードをご覧ください。
ここでは何と最大10連敗が生じています。
数学上で言えば、10連敗が生じる可能性は何0.1%ですが、そんな事柄が容易に発生するのが相場というものです。
(確率論的に言えば、0.1%とは1000分の1の確率ですから、1000回検証をおこなえば、起きて当たり前なのですが、、、、)
そして、この時にあなたがそれまでの負けを取り戻すのに必要のトレード通貨量は 204万通貨です。
これは、日本の FX トレード会社のレバレッジ25倍で取引したとしても、その必要額はなんと900億円にもなるのです。
また、以下のセットでも50万通貨、220億円が必要になっています。
そんな額のお金を用意してやっと、100回のトレードを終えた時に、あなたは福沢諭吉1枚、つまりたった1万円を手にすることができるのです。
もし、あなたが900億円もの資金を用意することができるのであれば、もっと別の事柄に投資すれば少なくとも数十万円は稼げることでしょう。
これが、マーチンゲール手法が、必勝法でないと言われる決定的な証拠です。
確かに、この検証から分かりますように、何百兆円もの金を用意することができれば、マーチンゲール手法は間違いなく必勝法になりますが、その前には必ずあなたの資金が底をついて損切りをせざるを得ないことでしょう。
大抵の自動売買ソフトはマーチンゲール手法!
そして、もう一つ注目すべきことは、それぞれ10セットで描かれる損益グラフの様子です。
もし、皆さんが自動売買について興味を持ったことがおありであれば、このようなグラフをよく見たことがあるのではないでしょうか?
そうです。大抵の勝率の高い自動売買ソフトは、全てこのマーチンゲール手法によって作られているのです。
そして、この自動売買ソフトをいくつもの通貨でトレードさせ、その中で最も良い成績を挙げたグラフだけを掲載し、それを高額で販売するというのが大抵の販売手法なのです。
もちろん、こうした自動売買ソフトも長期足の流れなどを見て、自分の裁量を加えていくことができれば、全てが有害なものであるとは思いません。
ただ、このようなマーチンゲール手法に頼っただけの自動売買ソフトは一時的には、ある程度の利益を出すことができても、最終的には必ず大損してしまうことが分かるかと思います。
ですから、私たちは FX トレードをおこない、どうしても勝てないと思った時でも、マーチンゲール手法をリアルトレードで試したり、マーチンゲール手法を使った自動売買ソフトを使うことは、絶対にしてはいけないのです。
では、これまではすべて勝率50%で試してきましたが、もし私たちの手元に60%の手法や70%の手法があるとしたらその結果は一体どれほど変化していくのでしょうか?
次回は、私たちが目指すべき、「エントリーポイントを厳選し優位性のある部分だけでトレード」をおこなった場合、どれほどの優位性を発揮できるかをこれまでの結果と比較していましょう。
ただ、皆さんは上記のシステムを自分で使用して検証したいと思われませんか?
また、ご自分の取引をさらに確実に、簡素化しておこなえる様々なシステムがあれば良いと思われませんか?
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まとめ
マーチンゲール手法は、最初は小額から始めて、負けるたびに取引額を倍々に増やしていく手法である。
数学論的に言えば10連敗する確率は0.1%で、事実上必勝法のように思えるが、たった10セットの過去検証の中でも10連敗が生じた。
FX の中ではそうしたあり得ないようなことが、時々起こってしまうために最終的には多大な損害を被る可能性がある。
だからこそ、リアルトレードでマーチンゲール手法を試したり、マーチンゲール手法を主軸とした自動売買ソフトをけっして使ってはならない。
むしろ、エントリー ポイントを厳選し、優位性のある部分だけでトレードすることが必要である。
本日も、最後までご覧下さり、本当にありがとうございました。
最速 FX ブログのケンジでした。
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