前回の記事ではチャート上に描かれる波を認識する練習を行うことができました。
チャートの波を見分けることができるようになった今、あなたは、ダウ理論の柱であるラス押しと戻り高値を認識することができるようになりました。
では、そのラス押しと戻り高値とは、一体何なのでしょうか?今日はその点を考えた後に、実践練習をしていきましょう。
目次
ダウ理論の柱、ラス押しと戻り高値
押し安値とは、上昇トレンドが形成されていく中の、一番最後の更新波の付け根の部分のことを言います。
下の添付図をご覧ください 。押し安値とは、その波が高値を更新して初めて認定されるものですから、このダブルトップのように、波が更新されないような場合の付け根は、押し安値として認識してはいけません。
その部分は別の名称でネックラインと呼ばれます。もちろん、このネックラインも重要なポイントですが、いちばん大切なのはラス押しです。
ですから、上記のチャートでも上昇トレンドは崩れず、そのまま上昇していきましたね。
それとは全く反対の考え方で、戻り高値とは、安値が更新されていった後の、いちばん最後の波の付け根の部分のことを言います。
こちらも同様に、ダブルボトムを形成したような場合は、その付け根は戻り高値とは認識されず同様に、ネックラインと呼ばれます。
では、ここで、もう一度ダウ理論の基本的な考えを復習してみましょう。
ダウ理論とは「 明確にトレンドの転換シグナルが現れるまで継続し続ける。」というものです。
ここで述べられている明確な転換シグナルと言うのがラス押しや戻り高値を抜けていくことを指しているのです。
ですから、世界中のトレーダーは、このラス押しをチャートが下抜けてしまった場合には、下落トレンドが崩れてしまった考え、戻り高値を上抜けてしまった場合には下降トレンドが崩れてしまったと考えるのです。
こうした理由から、このラス押しと戻り高値が、いかに重要であるかが分かるかと思います。
では、前回利用した2枚のチャートを用いて、その中からラス押しや戻り高値を探してみることにいたしましょう。
ラス押し、戻り高値を識別する実践練習
以下に、前回の波の認識の記事で利用した、チャート添付いたしました。 まずは1枚目をご覧になり、ラス押しを1つと戻り高値を1つを識別してみてください。
そして、それに続いてどのローソク足から、上昇または下降トレンドが崩れたと言える状態なのかを考えてみてください。
注意すべきポイントは、このチャートで波が更新されている付け根だけがラス押しとなり得るということです。そこにダブルトップやダブルボトムは含まれないということです。
では、がんばってみましょう。
いかがだったでしょうか?
正解は以下の通りです。
皆さん、正解することができましたでしょうか?
チャートの右側に記されている部分にご注目ください。右下の丸の部分は最後の波が更新をしていないので、まだ、戻り高値にはなっていません。
ダブルボトムになればネックラインになるだけです。ですから、その前の付け根が、現在の戻り高値なのです。
では2枚目のチャートに行きましょう。
このチャートでも同様に、押し安値や戻り高値を認識してみてください。このチャートには 押し安値が2箇所と戻り高値が1箇所含まれていますので探し出してみてください。
いかがだったでしょうか?
コロコロと流れが変わっていく、難しい相場でしたね。こうした相場は一見難しそうに見えますが、ラス押しを認識すれば、相場がどちらにいきたいのかがわかりやすいですよね。
正解は以下の通りです。
正解できましたでしょうか?
こうした練習をぜひ、自分でも何時間か行い、ラス押しを抜けたときにトレンドが転換していく様子を確認してください。
ただ、この練習を行う時に絶対に守っていただきたいのは1時間以上の足で必ずおこなってください。
15分足などでは、ノイズが多すぎて、まったく役に立ちません。
すぐにエントリー?
では、そんなにラス押し値が重要なのであればその部分に、 IFO 注文で売りを仕掛けておいて、ブレイクアウト手法でトレードしてはいけないのでしょうか?
たしかに、上記に添付した2枚のチャートでは、ブレイクアウト手法でも、勝利をすることができています。
しかし、毎回そのように伸びていくとは限りませんし、相場が急変した時には希望通りの値段で約定せず、負けてしまうこともあるのです。
ですから、ラス押しや戻り高値を抜けたら、その後に、ラス押しの値段まで戻ってくるのを待って、押し目買い手法を使ってトレードをしていく方が勝率も格段に上がり、利益も爆上げするのです。
この押し目買い手法に関しては少し後の記事でとりあげたいとおもいます。
では、ブレイクアウト手法はまったく使えないという意味ですか?
そうでもありません!
もし、この押し安値ブレイクアウト手法に以前の記事でお伝えした2つの方法を組み合わせるだけでも、50%以上の勝率を収める手法にすることができるでしょう。
その2つの方法については、以下の記事をご覧ください。
では、その手法が55%の勝率を得られると仮定してみましょう。
もちろん、それだけでも勝ち組の仲間入りですから、とてもすごいことです。
しかし、55%の勝率とは20回トレードをして、11勝9敗ということです。
少し物足りないですよね。ですから、ブレイクアウト手法ではなく、押し目買い手法のほうが、優位性があるのです。
では次回は、相場がトレンド転換したことをはっきり見分けることができる二つ目の方法、トレンドラインと切り下げラインについて考えたいと思います
このトレンドラインと切り下げラインついて知ることができれば、ダウ理論はほぼ完璧です。まさに鬼に金棒です。
まとめ
押し安値とは、上昇していく相場の波の中で、最後の更新した波の付け根の部分のことを指している。
そして、その押し安値を抜けた時に、ダウ理論的には上昇トレンドが崩れた事をはっきりと示す。
もし、最後の波がダブルトップを形成し、高値を更新しない場合は、その付け根は押し安値ではなく、ネックラインと呼ばれる
そのネックラインを抜けても、トレンドの転換を示すわけではない。
押し安値抜けからのブレイクアウト手法は、ある程度の優位性はあるが、その勝率はせいぜい55%程度のため、押し目買いの方が優位性がある。
この手法の全貌を手っ取り早く知りたい方はこちら!
本日も、最後までご覧くださり、本当にありがとうございました。
最速 FX のケンジでした。
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