»前回の記事では、インターネット上で決して語られることのない、FXのデメリット全12種類のうち、予想することが難しい6種類について考えることができました。
現在、考慮しているFXのデメリット全12種類は以下の通りです。
予想しにくいデメリット:6選(前回の記事)
- ①:予定外の要人発言などによる、急速な為替変動
- ②:機関投資家などによる、意図的な急騰急落
- ③:損切り注文をしていたとしても、スリップページを起こす
- ④:FX会社によるストップ狩り
- ⑤:サーバーダウンやインターネット障害などによるシステムリスク
- ⑥:偽物トレーダー、偽物サイト、詐欺ツールで溢れている
予想できるデメリット:6選(今回の記事)
- ⑦:レバレッジをかけられるので資金が一瞬でなくなる
- ⑧:常に相場が動いているので、トイレやご飯中もキリをつけにくい
- ⑨:含み損を抱えた時や負けたときのメンタルの負担が大きい
- ⑩:確定申告がめんどくさい
- ⑪:相場観を養うための過去検証がめんどくさい
- ⑫:継続的に勝ち続けるのが難しい
そのうち今回の記事では、予想できるものの、対処が難しいデメリット6種類について考えていきたいと思います
この記事を読むことによって、FXを始めたばかりから、中級者の方に至るまで、現在の自分のトレードを見直し、より改善することができるでしょう。
目次
予想できるデメリット:6種類
デメリット⑦:レバレッジをかけられるので、資金が一瞬でなくなる
これは、FXの最大のメリットでありながら、事故にあう可能性の最も高いデメリットでもあります。
通常、株取引等であればレバレッジ(てこの原理のように自分の資金の何倍もの取引を行うことができる)は、せいぜい2、3倍ぐらいしか取引することができません。
しかし、FXの場合、国内口座であれば最大25倍まで、海外口座であれば3000倍までの取引を行うことができるのです。
(レバレッジの詳しい情報や各社の比較に関しては、以下の記事をご覧ください。)
例えば、現在のドル円をあなたがレバレッジ25倍で取引を行おうと思えば、1万通貨(100万円分の外貨)の取引を行うのに、たった45,000円あれば充分なのです。
さらに、それが海外口座であれば、3000倍のレバレッジをかけることができますので、100万円分の外貨を取引するのに、たった360円あれば充分なのです。
ですから、例えばあなたが10万円を入金して、レバレッジ3000倍で取引を行えば、あなたはなんと3億円分の外貨を動かすことができるのです。
それは、他の投資では絶対に行うことができないものです。
とはいえ、3億円に対してあなたの入金した10万円は砂粒ほどにしか値しませんから、たった1ピップス動いただけでも、その10万円は一瞬でなくなってしまうのです。
ですから、ギャンブルのような感覚で、簡単に儲けられると思って、FXを始めてしまうような形であれば、一瞬で自分の生涯資産を失ってしまうのです。
対策:1回のトレード損失を自分の全資産の1%未満に抑える
簡単に言えば、1回で大きく儲けるのではなく、優位性のあるトレードをコツコツと繰り返していくことによって、資金を徐々に増やしていくと言う方法取れば、このデメリットを解消することができます。
この「最速FXブログ」では、バルサラの破壊確率に基づき、1回のトレードで失う金額を1%以下に抑えるようお勧めしています。
ですから、あなたが現在10万円を入金して、動かすことができるのであれば、1回のトレードの損失は、わずか1000円に抑えるべきなのです。
同様に、100万円を動かせる場合であれば、1回の損失を1万円に抑えると言う意味です。
なぜ、そうすべきかに関しては、以下の1000回検証をご覧ください。
»バルサラの破産確率の嘘と真実:複利運用の最大の罠、1000回検証
そして1回のトレード損失を1%以下に抑えるのであれば、レバレッジは国内口座の25倍もあれば、十分に取引を行うことができるので、それ以上のレバレッジを必要としないのです。
デメリット⑧:常に相場が動いているのでトイレやご飯中もキリをつけにくい
例えば、株式取引等であれば、取引時間が限定されていますので、仕事が終わった時のように、「ここからはプライベートの時間だ」と限定することができます。
とはいえ、FXは、良くも悪くも、平日は24時間トレードを行うことができます。
ですから、ポジポジ病(常にポジションを持っていなければ落ち着かないと言う病気)や睡眠不足、家族との時間を失ってしまうなどの弊害が出てしまう可能性があるのです。
私たちは、そもそも経済的な解放を目指してFXを始めたはずなのに、家庭崩壊や病気などにつながってしまえば元も子もないのです。
実際、私も早朝から深夜に至るまでチャートに張り付き、トレードを繰り返したにもかかわらず大損で終わったときには、FX会社から送られてくる口座開設書をビリビリにやぶいたり、睡眠不足に陥ったりしてしまいました。
対策:スキャルピングトレードであればトレードする時間帯を限定し、デイトレードであればチャートを見る回数を1日4回ほどに限定する
これは、トレードスタイルによって2つの対策を立てることができます。
あなたのトレードスタイルが、スキャルピングトレード(1日に何回もトレード行うスタイル)であれば、「夕方の6時から夜の10時まで」といった具合にトレードする時間を限定する必要があります。
また、トイレや食事など、その場を離れなければいけない用事があれば、必ずポジションを解消すると言うルールを設けるのも良いことです。
もちろん、IFO注文などによって、損失があらかじめ広がらないように設定してあればそうしたことも必要ないでしょう。
あなたのトレードスタイルが、デイトレード(1日から2日に一回のトレード)であれば、1時間足や4時間足などでゆったりとしたトレードを行い、本当にチャンスとが来た時のみ、「しょうがないからトレードしてやるか」位のスタンスで取引をするならば、優位性を発揮することができます。
そのような、ゆったりとした気持ちのトレードを行うことができれば、このデメリットを無くすことができます。
デメリット⑨:含み損を抱えた時や、負けたときのメンタルの負担が大きい
これは、FXトレーダーにとって、ランキング第2位のデメリットと言うことができるかもしれません。
よくFXのサイト等を調べてみると、「メンタルを鍛える」などと言うことが書かれていますが、基本的に私たちは数万円もの含み損を抱えたときに眠るのは容易ではありません。
そして、それは大抵の場合、鍛えることができません。
できるのは、慣れると言う事だけです。
さらに、FX取引とは、プロ野球のペナントレースのように、買ったり負けたりを繰り返しながら、最終的に勝ちを多くしていくと言う取引です。
ですから、プロトレーダーであっても、リスクリワードによりますが勝率60%から70%あれば十分だと言われています。
そうであれば、5連敗や時には10連敗が生じることも、予想しなければなりませんので、含み損だけではなく、そのような連敗が生じたときには極度のストレスがトレーダーを襲うことになるのです。
実際に含み損が、生活に悪影響を及ぼしてしまっている様子に関しては、以下の動画をご覧ください。
(貴重な情報提供してくださり感謝いたします)
実際、私も100万円ほどの含み損を抱えてしまったときには、夜眠ることができないばかりか、仕事にも影響が及び、何をしていてもそのことが頭から離れないと言う状況が続きました。
対策①:含み損を抱えることを前提としたスワップトレードやリピートトレードなどを行わない
詳しくは、以下の記事に解説されていますが、必勝法を求めるあまり、金利をあてにしたトレードやナンピン手法に近いリピートトレードなどを行った場合には莫大な含み損を抱える可能性があります。
»ループイフダン、トラリピなどリピート系自動売買はFX必勝法か?
»スワップトレードと外貨預金:投資法比較、おすすめはどっち?
ですから、そもそもそのような危険なトレードを選択しないことによって含み損のストレスから解消されるでしょう。
対策②:過去検証を数多く行い、自分が想定すべき連敗数について、充分理解しておく
FX取引を行う中で、連敗は決して避けることのできないものです。
ですから、そのために過去検証を十分に行い、自分の手法が持っている成績から、どのぐらいの連敗はあらかじめ覚悟しておくべきなのかについて、充分理解することによって、ストレスを減らすことができます。
また、複数通貨を取引することにより、連敗が続いている時でも連勝をする通貨と織り混ぜることにより、ストレスを軽減させることもできます。
デメリット⑩:確定申告がめんどくさい
例えば、あなたが株式取引を行っているとしましょう。
その場合、「源泉ありの特定口座」を利用すれば、証券会社が年間の損益を計算して、取引ごとに税金を清算してくれると言う仕組みが存在します。
ですから、毎年2月の中ごろから行われる「確定申告」を行う必要がないのです。
FXの場合、兼業トレーダーであれば、20万円以上の利益が出た場合には確定申告が必要になります。
20万円と言う事は、毎月2万円ほどの利益が出ても、確定申告が必要と言うわけですから、勝ち組トレーダーに一歩足を踏み入れた瞬間に、確定申告が必要になるのです。
ちなみに、私も毎年、確定申告を行い、もうすでに5年ほどになります。
申告期間が、1ヵ月ほどしかないため、毎年その時期は多少のストレスを感じます。
対策:税理士にお願いする。もしくは、e-Taxを利用し、手続きを簡素化する
ある程度、利益を重ねることができるトレーダーに成長することができれば、いっそのこと税理士にお願いすることができるでしょう。
そのようにすれば、そのめんどくさい手続きを、お金で解決することができますので、デメリットから消すことができるでしょう。
とはいえ、最初はそれほどの利益を上げる事は難しいと思いますので、自分で確定申告を行うことが必要になります。
しかし、これもインターネット上で簡単に行うことができ、数字を入力すれば、自動的に計算して、銀行から引き落としてくれると言う仕組みになっていますので、毎年行っていればそれほどデメリットではなくなってきます。
現在、私もこの方法を取って5年になりますので、15分ほどで完了します。
デメリット⑪:相場観を養うための過去検証がめんどくさい
これは、FXのデメリットの中で、ナンバーワンと言うことができるかもしれません。
FX取引は、様々な業界の中でも特殊な方式で行われています。
それは、今日からトレードを始める超初心者であっても、何十年にもわたり何億円もの資金を動かしてきた機関投資家であっても、同じ土俵で勝負できるという仕組みです。
これは、小学校の少年野球団と大リーグのプロ野球選手たちが混ざり合って同じトーナメントで勝負していると言う状態です。
当然のことですが、そんな状態であれば、少年野球団が勝てるはずがありません。
まさに、最近FXトレードを始めた私たちは、少年野球団のようなものです。
しかし、大変驚くべきことに、今日からFXを始める人は大抵「自分は勝てる」と言う気持ちで取引を始めるのです。
ですから、そのような人が、自分の能力のなさに気づき、地味で過酷な過去検証を行うようになるには、かなりの時間が必要になります。
そして、その過去検証を行い始めてからも10,000回以上の過去検証が必要になるかと思いますので、それを行うためには数年もの時間を要するのです。
そして、その後ある程度相場観を養ったとしても、それを維持しつづけるために、常に過去検証を行い続ける必要があるのです。
それは、ちょうどプロのピアニストが1日8時間以上は、練習をし続ければならないのと同じです。
ちなみに、プロを目指す音大生は1日10時間以上練習することが、当然のように要求されています。
しかし、それほどの努力が必要であるということは、大抵のFXサイトには載せられていないのです。
そして、それほど甘い世界ではないと言うのは、間違いなくFXのデメリットであると言うことができるでしょう。
対策:諦めてとにかく過去検証する
このデメリットに関しては、特効薬のような対策法はありません。
1度もバット振ったことのない人に、イチロー選手のバットを渡したからといって、ホームランを打つ事は絶対にできません。
一度もバイオリンを弾いたことのない人に、最高のストラディバリウスと呼ばれるバイオリンをわたしても、音楽を奏でられるはずがありません。
それと同じように、身に付ければ何千、何百万円もの資金を生み出すことのできる錬金術に近い技術を、1年やそこらで身につけられるはずが絶対に無いのです。
ですから、諦めて誰もが行っている過去検証をし続けるしかないのです。
デメリット⑫:継続的にかつ続けるのが難しい
FX YouTuber の中で有名な人としてakiさんと言う方がおられます。
この方は、億単位のポジションを持つことで、有名な大人気のYouTuberです。
そして、この方は一度2億8000万ほど損切りをしましたが、その後1ヵ月ほどで、3億円位を取り戻すことができたと言うことで、一躍有名になりました。
しかし、そのような敏腕トレーダーであったとしても、その後、再び1億1000万の損切りを1回、その後も、1億4000万の損切りを行い、合計2億5000万ほどの損切りを行ったのです。
もちろん、この方には自由に動かすことのできる資金が、大量にあるようですから、再び資金を取り戻す事は可能かもしれません。
とはいえ、このような事実から分かるのは、どれほど優秀なトレーダーであったとしても、勝ち続け、資金を増やし続けるのは簡単ではないと言うことです。
なぜなら、今回のakiさんのように、損切りを設定せずに大暴落に巻き込まれてしまった場合には、それまでに積み上げてきた利益全てを吹き飛ばしてしまう可能性があるからです。
そして、当然の事ですが、元手が減ってしまった状態で、再び同じ資金量に戻すには、何倍も困難なトレードが必要になるのです。
対策:一発逆転のギャンブルトレードを行うのではなく、あたかも金利をもらうかのようにコツコツと小さい利益を重ねていく
インターネット上のブログやYouTubeなどでは、数千万から数億円稼いだなどと言う衝撃的な事実によって、私たちを騙そうとするサイトが数多くあります。
そして、実際そのように稼げるとしても、それはまったく同じ確率で数千万円を失う可能性があると言えるのです。
ですから、そのようなトレードを行っていれば、確実にいつかは資金を失ってしまう可能性がありますので、地味に思えるとしても、優位性の高いデイトレードをコツコツと重ねていくことで、確実に資金を増やしていくことができるのです。
予想できるデメリット6種類を考えて言える事
このようにして6種類のデメリットを考えてみますと、確かに最初から予想ができるものばかりであるものの、特攻薬のような対策を立てにくいことがわかりました。
とりわけ、相場観を養うための過去検証や含み損や連敗を迎えたときのメンタルの負担等はどうしても取り除くことができません。
ですから、そうしたデメリット全てを受け入れる、つまり慣れていく必要があるということがわかりました。
だからこそ、そうしたいばらの道を歩き続けた人だけが、錬金術に近いトレーダーとしての能力を身に付けることができるのです。
まとめ
予想できるデメリット6種類
- ⑦:レバレッジをかけられるので資金が一瞬でなくなる
- ⑧:常に相場が動いているので、トイレやご飯中もキリをつけにくい
- ⑨:含み損を抱えた時や負けたときのメンタルの負担が大きい
- ⑩:確定申告がめんどくさい
- ⑪:相場観を養うための過去検証がめんどくさい
- ⑫:継続的に勝ち続けるのが難しい
本日も、最後までご覧くださり、本当にありがとうございました。
最速FXブログのケンジでした。
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